土鍋を使った 冬の中国料理2017年12月06日
11月15日、KCC食文化と料理の講習会は、中国料理「JASMINE」総料理長の山口祐介先生をお迎えし、「土鍋を使った冬の中国料理」をテーマに、お話と料理を紹介いただきました。
山口先生は、都内の料理店、ホテルなどで修業のかたわら、香港、上海、杭州、北京などのホテルや専門店で研修を積み、現在は「JASMINE」総料理長としてご活躍です。長江の恵みを受け、「魚米の郷(ぎょまいのさと)」と呼ばれる、中国・江南料理を得意としています。
今回は、土鍋を使った中国料理をご紹介。
<海鮮と揚げ豆腐、春雨の土鍋煮込み> 海鮮、揚げた豆腐、春雨、野菜類を使い、ちょっとぜいたくに仕上げた土鍋煮込みです。干しえび、陳皮(ちんぴ・みかんの皮を干したもの)、赤唐辛子、にんにく、ナンプラー、しょうゆ、オイスターソースなどで味つけ。春雨と野菜を煮た上に、えび、いか、あさり、揚げ豆腐を煮て、とろみをつけたものをかけます。いろいろな香り、うまみが重なり合った、リッチな味わいの一品です。
<自家製干し肉の広東風炊き込みご飯> 干し肉を使った炊き込みご飯。中国では、干し肉がよく売られているとか。ここでは、豚バラ肉の塊を、しょうゆ、紹興酒、砂糖、しょうが、にんにく、八角、山椒でつくった漬け汁に漬け込み、干したものを、紹興酒をふりかけ、蒸しました。この干し肉としょうが、粘りけの少ない長粒米を、しょうゆ、砂糖などで味つけし、土鍋で炊き上げ、干し肉の漬け汁をまわしかけます。シンプルで、肉のうまみがご飯にしみ込み、ごちそう感のある炊き込みご飯です。
<"獅子頭"大きな肉団子の揚州風蒸し煮スープ> 大きな肉団子を蒸し煮し、スープ仕立てにした料理。ひき肉ではなく、包丁で細かくさいの目切りにした肉を、よく粘りが出るまで練り、"獅子頭"というように、大きな団子にします。ホロッとやわかい食感に仕上げるのがポイント。ここでは、土鍋でスープ煮込みにしましたが、この肉団子を、こってりとしょうゆ煮込みにた、伝統的な料理もあります。
レシピを紹介しましょう。
材料:豚バラ肉(塊) 500g、 しょうが(みじん切り) 15g、 水 40ml、 A;{塩 4g、 鶏ガラスープの素 4g、 砂糖 6g、 紹興酒 15g、こしょう 少々}、 溶き卵 1と1/2個、 青ねぎ(小口切り) 20g、 ごま油 8g、 片栗粉 15g、 鶏ガラスープ 1.5L、 白菜の葉 適量、 B;{紹興酒、塩、こしょう 各少々}
作り方:
1. ボウルに、5mm角のさいの目に切った豚肉、しょうが、Aを入れ、粘りが出るまでよく練る。水を3~4回に分けて入れ、さらに練る。
2. 1.に溶き卵、青ねぎ、ごま油を加え、軽く混ぜ合わせ、片栗粉を入れたら、さっくりと混ぜ合わせる。
3. 手に片栗粉(分量外)をつけ、2.を1個約70gの団子につくる。
4. 土鍋に鶏ガラスープを沸かし、3.を入れたら、白菜の葉で蓋をし、極弱火で1時間半蒸し煮する。途中で、かぶせた白菜の葉も中に入れ、仕上げにBで調味する。